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未完成なワルツ

第8章 ◎最悪なヤツ-雅紀side-




'は?なに言ってんの?'みたいな顔をしてたら
ニノがいつもみたいにクスッと笑った。


「ぷはっ……うまかった。ごちそうさま」


手のひらを合わせてそう言うニノは
俺の質問に答えずにキッチンに向かった。





「ねぇ!ニノ!ニノってばぁ!
俺にしたら頑張ったってどういうこと!!?」


「ふふっ……うっせーわ、バカっ」


「うっ……ごめん」


「でも頑張ったと思いますよ?ええ」




だから俺はそれが何でか知りたいのにさ?
なんでそれを教えてくれないわけ?







「だからね?
あなたにしたら進歩じゃない。
好きな女が違う男のとこに行くのを引き止める
それってめちゃくちゃ悪い男じゃん?」



「……は、はぁ?お、俺は!俺は別に!
俺は別に……好きじゃないし!
悪いとか、そういうの違うでしょ!」




っつーか、なんでこんなやけになって…
ばかじゃん、俺。ねぇ!
またニノの罠に引っ掛かった。






「だからうっせーの(笑)
もういいけどさ、慣れたわ!」

「ごめん!だけど……」



「だけど、俺はさ?
ちょっとくらい悪い男のほうが、
俺が女だったら……魅力的だけどね?」







そのニノの言葉がどうしても
いつまでも心に残ったことは、
ニノに気づかれたんだろうか。

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