第7章 ◎異変
重い雅紀をなんとか部屋に連れていって、
ベッドに寝かせた。
けど、ずっとさっきの言葉が頭の中で響く
"アイツと結婚すんの?"
"イヤだよ"
ねぇ、雅紀……なんでなの?
なんでなの……なんで心を掻き乱すの?
なんで……
「………………?」
「え、あ……雅、紀」
ベッドで眠る彼は少し汗をかいた前髪から
うっすらと目を開いて私を見た。
「ごめ、ん……俺迷惑かけた?」
「め、迷惑じゃないよ……それより大丈夫?」
「ん……だいぶいいよ。ごめんね?」
雅紀ってこういう顔するんだよね。
全然悪いことしてないのに、
悪いことしたみたいな泣きそうな顔して、
「私帰るけど、大丈夫?」
そう言ったらまた悲しい顔をして、
私の手首を弱々しく掴んできた。
「大丈夫じゃないって言ったら、
まだいてくれるの?」