第5章 ◎昔みたいに
それからは紅茶を飲みながら、
いろいろな話を二人でしてた。
そのなかで質問したいのに、
その質問がなかなか出来なくて困ってた。
'彼女はいるの?'
そんな簡単な質問ができなくて、恐くて
いたっておかしくない。だけど……
「?」
「………………雅紀」
「ん?なになに?」
口を小さく開けてできる限り小さな声で、
「……彼女…………いる、の?」
そうやっと聞けた。
雅紀はその私の質問にちょっと目を見開いた。
けどそれはすぐにもとに戻って、
「いないよ」
「そ、っか」
ちょっとだけホッとした。