第5章 ◎昔みたいに
「お、お邪魔します……」
雅紀が住んでるマンションは、
まぁ……素晴らしく立派なマンションで…
「ヒャハハ、なにそれ!らしくないよ!
あ、紅茶でいい?ニノがいっぱい珈琲飲むからさ
もうないの……珈琲」
なにこの成長
雅紀がお客さんのために何かをやってる。
お・も・て・な・し。じゃん(笑)
「う、うん。紅茶で大丈夫」
「はーい」
キッチンでなにやら騒がしくしてる雅紀を
気にしながらもソファーに座った。
それはそれはフッカフカで…
これ、高いんだろうな。きっと
なんて、お母さんみたいなことを思ってみる。
「ん、おっ待たせ!あ、熱っ!」
「ちょっと、大丈夫?」
「ヒャハハ……やっぱ初めてなことはダメだ」
なんて言いながらテーブルに紅茶と
お菓子のセットを置く雅紀の言葉に、
少し驚いてしまった。
だって……初めてって……
いや……ここに引っ越してってことだよね。
じゃなくても私はお客さんだから……
いつもはお客さんじゃない人が来るんだよ。
なんて頑張って心の中を整理させた。
「ん、もうちょっと待ってね?
なんかね、あるんだって!時間てきな?ヒャハハ」
「え?あ、う、うん」