第5章 ◎昔みたいに
「……ん?でも結婚するんでしょ?」
二宮さんと話してると急に櫻井さんが
新聞を閉じて私にそう言ってきたことに、
少しドキッとした。
ちょっと正直に言えば、
そのことを忘れていた。
いや……忘れたかったのかな……。
「……いや……まだ決まったわけじゃ……」
だから、こんな風に弱気に答えてしまった。
「そうなんだ。にしても、
いつかは相葉くんも離れないとね?」
続けて櫻井さんがそう言うと、
雅紀はどうやら不思議そうな顔で、
「え?そうなの?」
なにその悲しそうな顔
やめてよ……期待しちゃうでしょうよ
なんて思ってたら松本さんが、
雅紀の横に来てこんなことを言った。
「相葉さんの物じゃなくなるからね」
雅紀、そんな顔するなら止めてよ。
'と結婚する'ってあの時みたいに…
なんて、ね?
「雅紀、私そろそろ帰るね?」