第4章 ◎一生のお願い
震える手を抑えながらも、
ドアに軽くノックをしたらガチャっと開いた。
「!すげぇ!千葉から来れたね、よく!」
なんて呑気に私を見ながらそういう雅紀
あなたのためでしょうが、このやろう(笑)
「はい、これ……じゃあね」
そう言って帰ろうとした瞬間、
雅紀が私の腕をガシッと力強く掴んだ。
「な、なに……?」
すごく真剣そうな顔をしたと思ったら、
すぐにいつもの笑顔な雅紀に戻った。
「入りなよ!」
「……はい?」
「だーかーら、入るの!おいで?」
腕をさっきよりも強く引っ張られ、
人生で初の楽屋に入った。