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未完成なワルツ

第18章 ◎噂にはご用心




立花くんと仕事に戻る途中、
あることを耳にしてしまった。

それは私の心を傷つけるものだった。



「へぇ……相葉くんが路上チューだって」
「え~意外だねぇ……純粋そうじゃん」
「いや、女が誘惑したんだって絶対」
「あ~なるほどね」




誘惑なんてしてない。
いや、したの……かな……
私がした、の?






「……?どうした?」



「立花くんは……さ」



「うん、なに?」


「噂……信じる?気にする?好き?」




一気に聞いてしまったけど、
優しい立花くんはそっと近づいてきて、





「信じないし、気にしないし、嫌いだよ。
好きな人は好きな人で言わせとけばいいんだよ」

「…………言わせとけばいい、か」

「そうそう。考えてもしょうがない、でしょ?」






そう、だよね。そうだよ。
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