第18章 ◎噂にはご用心
「そういえばさ?
お前、まーくん?だっけ?」
「え??!な、ななな、んで?その名前!」
「……飲んだ日にずっと言ってたからさ?」
わ、私ずっとそんなことを……
やってしまった。と頭を叩いた。
「好きな人、なんだろ?」
「え?あ、う、うん。
私そこまで……言ってた?」
それには立花くんも苦笑いで、
私は今度こそやってしまったと思った。
「次はさ、幸せになりなよ?」
「………………うん」
「うん、応援してる」
やっぱり立花くんは良い人だ。
「立花くんはいないの?好きな人」
「…………ん~……いたけど…取られっぱなし」
「……そうなんだ」
「その子はさ、俺には……
きっと振り向かないようになってるんだよ」
その立花くんの目はすごく切なそうで、
泣きそうで、可哀想だと思った。
「…………うしっ、帰るか!」
「え、あ、う、うん」