第14章 ◎貪欲な男-雅紀-side
ニノの話は長くなるのか、
もう一杯珈琲を注いで始まった。
「大野さんには一般人の彼女がいたのよ
っつっても、だいぶ前だけどね?」
リーダーって恋とかちゃんとしてんだ。
いや、するか。普通(笑)
「でもさ、一般人って難しいじゃん
予定もだし、普通には会えないしさ?
そんな風にしてたら奪われちゃったんだって」
「え?」
楽しい恋のお話かと思ったら、
すぐに突き落とされたみたいに心があいた。
「結婚しちゃったのよ、その子
しかも一般人の男性とね?
ま、それが彼女の幸せであったから、
大野さんも諦めたんだけどね……」
「続きが、あんの……?」
なんて聞くとゆっくり俺の方を向いて、
ニノは少し真面目な顔でこう言った。
「死んだんだって」
リーダーはどんな気持ちだったんだろう。
俺に貪欲でいろって言ったとき、
相葉ちゃんは貪欲かもねって言ったとき、
俺と自分を重ねたのかな?