第14章 ◎貪欲な男-雅紀-side
「んーで?あの人なんて?」
リーダーのソロ撮りの間、
ニノが珈琲を飲みながらそう聞いてくる。
「…………貪欲になりなよって
ていうか、ある意味貪欲かもねって」
そう伝えると鼻でククッて笑ったニノ
なんかリーダーの気持ち分かるみたい
「あの人も言いますなぁ……
でも相葉さんにはそんぐらい必要かもね」
「でもさ……リーダー恐かった
俺にはさ、できないよ。そんなこと」
もし昨日あんなことがなかったら、
もしの電話に出てたら、
浮気されて泣いてるを
力強く優しい気持ちで抱きしめられたのに
後悔ばかりが胸を過る。
「あれ、あなた知らないっけ?」
「え?」
「大野さんが1回好きな女奪われたの」
「え、な、なにそれ!!?知らないっ!!」
15年以上も一緒にいて初めて知る事実にあの恐さの意味を知ることになるリーダーの過去。