第24章 まだ手は出さない…お前から求めるまでは、な。
その晩。
まぁまぁローと普通に話せるようになってきたと、自分でも進歩を褒めてあげたかった。
ただ、ローは至って平常そうでいつもと変わらない態度が逆に意識しているのは私だけなのではないかと感じる所が否めなくて何だか腹が立つ。
高みの見物しやがって。
まぁローは女の一人や二人…
扱いも経験も向こうの方が上なんだろうからしょうがないのかな。
そう納得させるも、正直感じる不安と寂しさ。
奇跡な事にローも私を考えていてくれて、
いわゆる思いは通じ合っているんだから…
って、きもッ!自分!
すっかり自分らしくないロマンチックな思考に首をぶんぶんと横に振って遮る。
はぁ…
なんか調子狂うな。
私ばっかり意識して、舞い上がってる…
重いため息を吐きながら、バスタオルを手にしローは今ペンギンと航路の打ち合わせ中という事に安心を置き、彼の部屋のシャワールームへ向かった。
熱いシャワーで煩悩まで洗い流そう。
目を瞑って頭からただ湯を浴びる。
幾らか気分がスッキリして、そういえば今日から新しいシャンプーだったと鼻歌交じりにそのボトルへ手を伸ばす。
島で気になって買ったカモミールのエキスを配合したシャンプー。
初めはローが使ってるものを一緒に使っていたが、こっそり自分専用のものを買ってしまった。
「んー…良い香り」
バスルームまでを包むオリエンタルなその香りに酔いしれる。
「当たりかも…」
ウキウキしながら髪を撫でた。