第28章 え、そう?喋る熊よりマシじゃない?
「あっ!ほらまた何か聞こえない?」
弾かれたように反応するエリナ。
「え?……あ、本当だ、なんだ?」
今度はペンギンにも微かだが聞こえた。
二人はその声のする方を探す。
「こっからするよ⁉」
「そうね」
辿り着いたそこはランプをしまった棚だった。
「〜〜〜〜〜〜〜」
確かに何が音というか声が漏れている。
二人はアイコンタクトし勢い良くその扉を開けた。
「は〜やっと開いたわ、喉潰れるかと思ったわい」
パタン。
「ちょ!何で閉めるんやー⁉」
「………なんかいた?ペンギン」
「いや、うーん多分…」
「とりあえずもっかいだけ見てみる?」
「そうだな」
パタン。
「いやほんま勘弁ですわ、せっかくシャバの空気吸えたんやから」
「「うわああーー⁉⁉」」
二人は目を疑った。
声の主は先程エリナが磨いたランプだった。
「ら、ランプが喋ってる…」
青ざめるペンギン。
一方エリナは最初こそ驚いたが既にランプに手を伸ばし睨めっこしていた。
「わわ、やめろよエリナ!喋るランプなんて気味悪りぃ!」
「え?そう?喋る熊よりマシじゃない?」
「あ、そうだな、確かに」
すっかり冷静になったペンギンもエリナの持つランプをまじまじと見つめた。
「ちょっと俺にも貸してよ」
「悪いが俺は美女の肌以外御免やで」
「は?」
「俺はこの感触を待ってたんや〜、ああ〜やっぱり美女の肌は最高や」
そんな事を言われてエリナは気を良くしたのかニコニコしてランプを摩った。
「でしょ?気持ち良い?」
「くあ〜たまらん!」
「なんかムカつくなそのランプ」
ジト目のペンギンは置いといてエリナはランプに聞いた。