第2章 愛はどこに【R18】
もちろん、すぐ我に返る。
知佳さんは、いつの間にかベッドの上に寝かされている。
俺は顔を近付け……息があるのを確認した……
そして、旦那さんの姿がない事に気づくけど……
リビングの灯りがついている。
俺は帰り支度を整えて、リビングに行った。
俺の足音を聞いた旦那さんが、こちらを見た。
「あ……」
「あ……」
お互いの声が重なった。
「貴方はヒーローの……」
「貴方は俳優の……」
そう。知佳さんの旦那さんは、俺でも知っているような有名なアクションスターだった……
どうりでガタイのいい……
「ふふ……彼女の……知佳の好みに、ハマりすぎだな……」
男の俺でも含め見惚れるような笑顔で、旦那さんが言った。
「あの……俺……謝っても済むことじゃないんっすけど……」
俺が頭を下げようとしたら、それを手で制してきて
「あぁ、大丈夫ですよ。誰にも言いません……
いや
言えませんから」
旦那さんは言った。
「少し飲みませんか?いやぁ、ヒーローと飲めるなんて光栄だなぁ~」
「いやっ!!!なんか、俺っ!!!そんなっ!!!」
あわてふためく俺を、また男前な笑顔で
「まあ、少しだけ、聞いて下さい」
なんて言ってさっと立ち上がると、冷蔵庫から冷えた缶ビールを差し出してきた。
「……はぁ、じゃあ……すんません。なんか……」