第2章 愛はどこに【R18】
その後、とにかくバカでっかい犬……ガブリエルを、俺とケンタはゴシゴシと洗ってやった。
「ありがとうございました!あの、お風呂を沸かしたんで、良かったら……」
それを見ていた母親が声をかけてくる。
「いや、もう、タオルだけ貸して貰ったら……」
「ええええーーー、コテツ~いいじゃ~ん!いっしょにふろ入ろうよーーー!オンセンのモトも入れてやるからさ~」
「あの、本当に入って行って下さい。着替えも用意してますので……」
「いやーさすがにご主人不在のお宅で、風呂までは借りれないっすよ、会社の車に来てもらいますんで。気にしないで下さい」
俺のその言葉に、二人の顔が急に暗くなる。
「…………」
「パパ、いなくなったんだ……」
あれ?俺、まずいこと言った?
え、えっと……
「おしっ!ケンタっ!ワイルドに入るかー!」
「うんっ!ワイルドに入るぞー!!!」
この後、会社に戻る予定だったけど……
ま、なんかあったら連絡あんだろ……
しっかし、ゴールドの住人はあれだな……
でっかいバスタブだな~ちゃんと、オリエンタル風になってるしよ……
「ケンタ~お前んチいいなぁ~、でっけ~バスタブあってよ~」
俺は湯船に浸かりながら、ケンタに話しかけた。
「ん~でも、ひとりで入るとさむいし、さみしいよ?」
しまった、また俺、ヨケーな事……
ご、誤魔化そう……
「なんだ、お前、まだ母ちゃんと入りたいのかぁ~!?」
「んだよ!みんなまだ入ってるよ!だけど……ママはいやがるんだ……」
「なんでっ、あ!お前、母ちゃんのオッパイばっか触るからだろっ!?」
「ばっ!バッカ!ちげーーよっ!!!」
「へへ、そ~か~ぁ~?」
「コテツ……からだにキズ……いっぱいあんだな……」
「お、おぉ。まぁな、ヒーロー歴も長いからよ」
「ママもさ……いっぱいあるんだ……それを、オレに見られたくないんだ……」