第2章 愛はどこに【R18】
「ママっ!ガブいた!?」
「い、いた!?じゃないわよっ!なんでちゃんとっ……」
立ち尽くす俺と、平身低頭の女性に呑気な声がかけられた。
その子は、俺を見るやいなや
「あ!コテツだ!!!」
「だっ!こらっ!!!ワイルドタイガーだっ!」
「えっ?あ、あなた!ヒーローのっ!?す、すいませんっ!!!早くっ、早く家に入って!!!」
「おっと……」
母親が俺の背中を押す
「コテツ~いえにきてよ~~」
息子が俺の手を引っ張る……
どうやら、ここの家の親子だなぁ……
ま、このままじゃ、な……
「じゃ、お言葉に甘えて、すんませんっ!」
「いえっ!!!こちらの方こそっ!!!すいませんっ!!!」
「わあっ!!!」
「え?」「えっ?」
どうやらガブリエルが、息子の背後から飛び付いたようで……
倒れた息子の背中に、びしょ濡れのガブリエルが乗っている……
「ママ~……オレもシャワーしていい?」
「……あの~、この犬……ガブリエルですか?こいつを洗ってたんっすよね?」
俺は母親に聞いた。
「そ、そうなんです……だけど逃げだしちゃって……」
「おっし!ボウズ!俺と一緒に、ワイルドに洗うかー!!!」
「うん!!!コテツっ!」
「いや、だから、ワイルドタイガー……」
「あっ!オレのなまえ、ボウズじゃねー!ケンタっていうんだ!」
「ははっ!そうかっ、んじゃケンタ!いっちょワイルドに洗うかー?」
「うんっ!!!」