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イケメン戦国~天下人の妹になる気はないか~ 番外編

第2章 大人になった君


IN広間

「じゃあ、お前は本当に雪月なのか?」
「はい!」

政宗の問いに元気よく答える雪月。
見た目は二十歳になるかならないかぐらいだが、中身は政宗達の知る雪月のままらしい。
現に、雪月が座っているのは信長の膝の上だ(実を言うと信長が若干強引に乗せた)。

「しかし、何故こうなった?」
「...家康、元に戻る薬とか無いのか?」
「あるわけないでしょ。第一、前日に薬とかも飲ませてないですし」
「雪月、以前にも突然身体が大きくなるということはあったのか?」
「ううん、無いよ」
「そうか」

頭を悩ませる武将達。

「佐助殿なら、何か知っているのではないでしょうか?」
「「「「「!」」」」」

三成の発言に武将達ははっとした。

「確かに、雪月は半分ぽけもん...」
「なら、俺たちよりもずっとぽけもんに詳しい佐助に聞いたほうが早い、か...」
「...で、その佐助、どうやって呼ぶの?」
「「「「「...」」」」」
「...その辺にまきびしでも撒いとけば来るか?」
「...やってみるか」








そして、10分後。

「...ホントに来たよ」

家康の言う通り、武将達の目の前にはせっせとまきびしを拾い集める佐助の姿が。
安土城の庭に幾つかまきびしを撒いたら、ほんの数分で佐助が来たのである。

「いえ、何処からかまきびしが落ちる音が聞こえたので。拾いに来たら安土城だったんです」
「「「「「「......」」」」」」

まきびし愛の強い佐助に、武将達は呆然としてしまったが、そんな空気を壊すように雪月が佐助に飛び付いた。

「佐助君!久しぶり!」
「うわっ?!え、雪月、ちゃん...?」
「はい!」

普段無表情の佐助もこれには驚いたらしい。眼鏡がずり落ちたのにも気づかない。

「もしかして、俺が呼ばれたのは...」
「あぁ。雪月についてだ」
「朝起きたらこうなっていたのだ」

佐助は眼鏡を一回外すとレンズを拭いて、自分の目を何度か擦った後かけ直した。

「こんなことがあるなんて...」
「このような事例は過去には無いのですか?」
「はい。残念ながら」

佐助はしばらく考え込んだようだったが、

「幾つか、検証してみたいことがあります」

と言い放った。
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