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【BRM】太陽と鼠【裏】

第2章 光


鞄に大切な物と何着かの着替えだけを入れ、もうここに戻ってこないように決意した。
本当はダメだけど、学校に内緒でバイトして生活しよう。
家とか食べ物とかは、後で考えよう。
まずは、ここから出なきゃ…!
気が急いてしまった。
後ろの影に気付かなかった。
「、帰ってたのか?」
「!?」
手首を捕まれ、制服に手がかかる。
「お母さんに話したんだって?
でも信じて貰えなかったろ……」
耐えれなくて、相談したのに、誰も信じてくれない。
この外面だけいい人に、皆騙されている。
「逃がさないよ」
初めて、抵抗した。
ギリギリと手首に痣が残る。
「やだ、やだぁっ!!」
「このっ……」
その人も初めて私の顔を叩いた。
油断していて、歯で口内を切る。
鉄の味が気持ち悪さを高める。
抵抗できないのを知ると、暴力の悦に入ってしまったのか、また何発か殴られた。
ますます、惨めになる…。
この人のお陰で、うちは生活が豊かになった。
だから、抵抗できなかった。
お母さんが幸せならいいって。
犠牲にしてきた私のすべては否定される。
「ぐっ……」
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