第10章 葉
止めて欲しいはずなのに、真ん中からは熱がとろりと垂れていく。
視界を奪われただけなのに、触感はより一層過敏になっていく。
肌にふれる空気すらくすぐったくなっていく。
「あっ!あぁっ!」
舌が挿入れられ、音を立てて止めどなく溢れるモノを吸われる。
その刺激すら、腰を浮かせてしまう。
「んんっ!ぁ、うっあ…っ!」
「言ってみろよ、止めろって…」
「ああっ!あっ!!」
繰り返しそう言われるけれど、声は出ても言葉に形を変えるのにはまだ無理そうだ。
まるで、やり方を忘れてしまったよう。
ぽっかりと、その記憶だけが戻らない。
「言えよ…っ!」
「…っ!!!!」
高みに昇った身体が勝手に果てる。
全身に電流が流れるようで、相変わらず慣れない。
目隠しされているようで、いつもより自分でも感度が高いように思う。
このまま、最後までスるのは、怖い。
「っふ、あっ…!」
急いで腰を引こうとしたけれど、あっさり捕まり、
うつ伏せにされたと思えばお尻を高くされ、そのまま音を立てて侵入される。
あまりの圧迫感に、それだけで私は一度達してしまう。
「んっ、ぅぅ…っ!!!」
シーツに顔を埋め、勝手に伸縮を繰り返す体内に目眩する。
そのまますぐに次の楔を打たれ、反射的に仰け反ってしまう。
「ああぁぁぁ!!」
「く、…」
ざらりと襞を一つ一つ引っ掻かれるような感覚。
熱くて、そして本能が求める疼き。
「あっ!あぁ…っ!ふ、ぁっ…!!」
「イヤだとか、止めろとかでもいい、頼む…!」
要さんが耳元で悲しそうに私に訴える。
視界が解放されていることに気付き、振り返れば苦しそうな顔で私を見ている。
「…っ、あっ…、ひぅ……っ」
鼻の奥がつんと痛み、泣きそうになっているんだと思った。
好きな人に、そんな顔をさせるつもりなんてなくて。
私のために、そんな顔してくれるなんて。