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【BRM】太陽と鼠【裏】

第9章 黒


職員室に呼ばれると、案の定お母さんがいた。
なんとか誤魔化してきたけれど、限界のようだ。
先生と私と、テーブルを挟んで冷たい顔の親がいる。
考えてみれば、会うのは半年かそれ以上か。
残念ながら懐かしさもなく、私の指先が冷えていく。
帰ってこないかと言われたが、私はそれを受け入れることが出来ない。
なんとか生活をしている話だけをして、逃げるように立ち上がった。
「親に向かってその態度は何!?」
「……っ!」
お母さんに矛先が向かっているのなら、私は戻るべきだと…、思ったのに。
思ってたのに。
全くそんな気配もなく、元気そうにしているその人をみて、私は恐怖以外の何も感じなかった。
それは、この部屋に入った瞬間から。
私だけが最初から犠牲になっていた。

「あの人には貴方を条件にしていたのに!!」

最後の最後で、一番聞きたくなった真実を聞かされた。
全て仕組まれていた。
何も信じられない。
目の前が、真っ暗になる。
私の立場も意思も、あそこには何一つない。

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