第7章 愛
なんとかテストを乗りきり、明日からテスト休みだ。
夕御飯を作っていると、後ろから要さんに声をかけられる。
「明日1日空けとけよ」
「…?はい」
「どっか連れてってやるって言ったろ?」
「あ、はい…!」
すっかり忘れてた約束。
顔が思わず緩む。
(ヤバい……)
「賞金が入ったからな!パーっといくぞ!」
「………は、はい……」
そこで顔が凍りつく。
なんとも微妙な返事をしてしまった。
それは以前に千鶴さんと賞金の使い道でもめた、という話をうっすら聞いていたからだ。
たまに行かせて貰う試合の幕間では、常に拳で語っているお二人を見せられる。
あまりの仲の悪さに、少し驚いた程。
周りは野次を飛ばしてきていたあたり、これが普通なんだろう…。
「か、要さん!それって、大丈夫ですか…?」
心配しすぎて聞いてしまったが、要さんは自信満々に、
「許可はされている!」
と答えた。
それがどういう意味かよくわからなかった。