第6章 解
一度だけ、ダンススタジオにお邪魔したことがあった。
相変わらずペットだと紹介されて、戸惑った。
「仙石くん、教えてあげないの?」
「ダメだ」
(秒で断られた…!!)
「自分に自信のねえやつはダメだ」
「……」
そのときのことを思い出すと、ますます萎縮してしまう。
(自信…か……)
確かに、今最も私にないものかもしれない。
それは高すぎる太陽と、汚い野鼠の私が並んでしまってるから。
きっと、気紛れかもしれない。
要さんはたまに夜に誘ってくれる。
それでも、優しくて、自惚れてしまうほどに魅了される。
「…っ、ぁ……」
シーツを力強く握ってると、肩に回すように促される。
「ぁ、で、でも……」
「いいから、早くしろ」
「…っ、ぅ、あっ、か、要さん…っ」
一番奥の、弱いトコロに擦れて、思わずひくりと腰が浮く。
背中に手が回されてぎゅっといつもより密着する。
申し訳なさ以上に、切なく胸がきゅんと高鳴った。
行為中に目を開けるなんて、滅多にしたことなかった。
恥ずかしさとか、あとはクセのようなものかもしれない。
苦しそうな要さんも、凄く綺麗だ。
好きな顔。
しなやかな筋肉がはたと視界にうつる。
もうすぐ、果てそうなぼんやりとした頭。