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【BRM】太陽と鼠【裏】

第3章 息


またここに来てしまった……。

罪悪感で息が詰まる。
多少散らかっていても、広くて私には似合わない。
「……」
「おい、上がれよ…」
「は、はい…」
荷物とずぶ濡れのコートを置いて、この前と同じように浴室に案内された。
ガーゼを外して、はっとされる。
「おま……」
「…あ、いた……」
下着にも付いてしまった血を見て、やっと今日の行為の酷さに気付いた。
「自分より弱いヤツに手をあげるって…、最低だな…」
「……」
でも、そうしないと、お母さんが幸せにならなかったから。
今頃、お母さんは大丈夫だろうか。
逃げてきたことを今更後悔した。
温かいお湯が降ってくる。
私の汚い物が流されていくのに、自分の中の泥は残っているようで、怖くて震える。
傷を避けて、大きな手が頭から爪先まで綺麗にしてくれる。
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