第1章 お伽噺のように結ばれたい
その日の夜。
同期のいない部屋は、二段ベッドの上が荷物置き、下段にユリアは横になってうずくまっていた。
ユリアはハッキリ言って自分がこんなに弱いとは……思わなかった。明日はまた訓練の日々な訳だが、やっていけない。やっていきたくない。最悪だ。グルグルと後ろ向きな考えが巡る。
あんなに幹部の前で泣いてしまったユリア。幹部の面々に顔も合わせづらい。
そう考えていると、また涙が溢れて止まらない。
そのまま泣き続けて、いつの間にか寝落ちたユリア。
その日の夢に見たのは、白馬に乗った王子が背を向けて去っていく夢。王子に手を伸ばして泣くユリアは、現実で「待って!」と叫んで目が覚めると朝を迎えていた。
泣く泣く支度をし、部屋を出て訓練場へと向かった。