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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


side緑間

救急隊員が到着してみさきを担架に乗せようとするがその手にはめられていたのは通常の手袋でラテックスフリーではない。

「ラテックスのアレルギーだと伝えていただろ‼‼!」


思わず隊員に怒鳴った。

「ラテックスフリーの手袋はこの地域では常備していない」


事実であったとしても、それを平然と言い放つ隊員に殺意が沸いた。

ラテックスでアレルギーを起こしているみさきにラテックスの手袋で触れるなど殺人行為だ。



ただ、隊員も思ったよりも事態は深刻だと悟ったのか手袋を外し手を消毒しなおして医療用ではないポリの手袋をしてみさきを救急車に乗せた。

この時既に、みさきには意識がなく、救急車内で繋いだモニターが無ければ生きていることすら確認できない状況だった。

「緑間総合病院だ。かかりつけであり、既に連絡は済んでいる」


俺の言葉に隊員は怪訝な顔をしたが、この状況で受入先を探さなくていいことは幸運だった。
すぐに病院と隊員で連絡を取り合いうちへの搬送が決定した。

手袋のない救急車内では処置は何もできず、処方されてみさきが持っていた3本のエピペンを全て使い切り、止血を続けているにもかかわらず真っ青な顔で血圧の下がり続けるみさきを見ていることしかできなかった。


病院へは5分ほどだったはずだが、それでも俺にはその時間が永遠のように長く感じた。


病院に着いてすぐにみさきは手術室に運ばれて長時間の処置が行われた。


火神も俺もみさきの血液で血だらけだった。

警察への通報の後、病院に残るという火神を何とか説得して家でシャワーと着替えをさせた。


手術の間待っていたかったが、警察からすぐにでも状況の説明をということで俺と火神は現場に戻り、既に現場検証に入っていた警察に発見当時のことを説明した。



「その前後怪しい人を見ませんでしたか?」

「怪しいかどうかは判断がつかないが…3人の若い男が走って行くところは見た」


火神も俺も同じことを証言した。


「もういいだろ!病院に戻らせてくれ‼」

火神はとにかくみさきのところに戻ろうと必死だった。
火神は泣いていた。


「俺のせいだ。俺が一緒に帰ってやってれば…」

その言葉を現場でも、現場から病院に戻った後もずっと呟いてた
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