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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋



みさきのオペは緊急オペで手術時間は5時間に及んだ。


手術を終えて緑間の父親が俺のところに話しに来た。

「君が火神君だね」

「…はい」

「ご家族には私から連絡を入れてあるが、最短でフライトを取ったとしても丸一日はかかってしまう。…みさきちゃんの検査の同意書にサインをもらいたい」

「……俺で……いいんすか……?」

「本来はご家族なんだが、みさきちゃんのお母様から火神君にサインをしてもらってすぐにでも検査をって言われてるんだが頼めるかな」


「分かり…ました」


なんの検査かなんて聞かなくても分かる。
けど医者には説明責任があるらしく、呆然としたままの俺に検査概要を説明をした。

「婦人科の佐藤です」

女医だったのは俺にとっても救いだった。


「見つかった時の黒須さんの状況から、性犯罪の可能性が高いことは火神君も承知していると思います。今後その影響を最小限に抑える為に黒須さんの体の検査をしなくてはいけないの。その検査の結果によってどういった処置をするのかご家族と相談するんですが、検査が遅れてしまうと取り返しのつかない事態を招いてしまうこともあるのでご家族からの委任者ということで火神君にこの書類にサインを頂けますか?」


書類の内容を一緒に確認しながら何枚もの書類に俺の名前を書いた。


取り返しのつかない事態…

もしみさきが妊娠したらってことだって言うのは俺にも分かった。
けどアナフィラキシーを起こしてるってことはその可能性は低いと思った。


体内から相手の証拠が出た場合の警察への提出の同意書にもサインをした。


自分の名前を書くことがこんなに嫌だったことは初めてだった。



俺が書類にサインするのを終えるともう日付は変わって深夜だった。


意識のないままみさきは婦人科の検査を全て終えて2日間目を覚まさなかった。


出血が多かったことで意識不明になって危ない状況ではあったものの緑間の病院だったことでみさきの血液型は正確に把握できていたから輸血もすぐにできた



俺は検査結果は聞きたくなかったけどおばさんが後から教えてくれた。

正直それだけでも救いだった。

けどそれと同時に証拠がない事を聞いて相手が捕まらねぇことを悟った。

みさきが山本の名前を出すまで俺たち全員が通り魔の犯行だと思っていた。
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