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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


11年前

あの日、秀徳との練習試合で俺は秀徳の体育館に行っていた

試合結果は悪くなかったけど、追われる側になったことで、近づくIHに緊張して、いくら練習をしても足りねぇ気がした。

できることをすべて出し切りたかった。
だから練習試合の終わった後、緑間に少し付き合ってもらうことにして、みさきに連絡をしてから2人で練習を始めた。


自主練を初めて2時間、次の日の新入生への入学説明会で体育館を使う為に、教師たちが準備を始めることになって俺と緑間は勝負が途中のまま体育館を出た。


「なーんか不完全燃焼だな」

「燃焼時間が足りないのだよ」

「いや、だからそう言ってんだろ!」


秀徳はジャージでの帰宅が認められてなくて、緑間が制服に着替えた後一緒に学校を出た。


「そーいや、すぐそこにストバスのコートあんじゃん」

「あそこはボロボロなのだよ」

「ボロボロでもゴールありゃ取り敢えず勝負になんだろ。行こうぜ」

「仕方ない。付き合ってやるのだよ」


そうと決まれば動きは早かった。
歩いて5分かからねぇコートに走ると案の定人気はなくてすぐにでもできそうだった。


「俺は更衣室で着替えてくるのだよ」

「トイレ行ってくるわ」


制服の緑間は更衣室、俺は更衣室裏のトイレに向かうと、3人の男が騒ぎながら走って行くのが見えた。

「やべぇよ!」

「なんだよあれ!」

「黙れっ!!」




「全く。うるさい連中なのだよ」

育ちのいい緑間は不快感を隠さず眉間に皺をよせてたけど、俺はどっちかっつったらあぁやって騒いで歩いたりすることもあったから何とも思ってなかった。



「じゃ、トイレ済ませたら先にコート行くわ」

緑間と更衣室前で別れてトイレに行こうと更衣室裏に足をむけた




はっ…はぁ…はぁ…っはっ……


もう曲がれば更衣室裏のトイレにたどり着くってところで苦しそうな声が聞こえて、誰かが具合でも悪くなってるのかと慌てて回り込んだ俺の目に入ったのは、服がボロボロで、脚からおびただしい量の血を流して苦しそうに体を丸めたみさきだった

近くにはみさきの靴やバック
……下着が落ちてて嫌でも何が起きたかなんて分かった


「みさき‼‼‼おい‼‼みさき‼‼しっかりしろ‼」

大声で名前を呼んでも、みさきはぐったりとして顔も腫れあがって苦しそうにしているだけだった
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