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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


side青峰

みさきが何を言い淀んでるかなんてすぐに分かった。

でもそんなこと気にしなくていい。


あんなこと経験して、死ぬほど辛れぇ思いしてきて、それでも俺を好きになってくれたんなら、思い出して辛い思いをしねぇように俺がみさきを幸せにする。

みさきにあんなことをクズが幸せで、みさきが苦しんでるなんてフェアじゃねぇ





緑間の言ってた「みさきは誰よりも幸せであるべきだ」って言葉の意味を痛感した。


火神と緑間、あいつらがこれまでみさきを守ってきた分、これからは俺が守る。
近くにいてやれねぇこともあるけど、いつでも俺がいるってことを分かって欲しい


みさきの父親にどんだけ反対されようが、みさきが俺を好きで俺を選んでくれる限り認められるまで諦めねぇ。



やっと手に入れた


「お付き合いしてほしいです」とか言ってすっげぇ可愛い。
付き合って欲しいのは俺だっつってんだろ?


あーヤベ…
にやける。


可愛すぎ。


でもこういう時に頓珍漢言ってくんのがみさきなんだよな……


そんな不安そうな顔すんなよ。


嘘のつけない努力家な女はお前だよ…
お前以外いねぇだろ

俺が好きだっつってんだから普通なら“あの時言ってたのは自分の事なんだ”って分かるだろ?

俺だってシカゴでみさきの気持ちを聞いちまった時に、あいつの言ってた好きな男は俺だったんだって分かったってのに…
まぁ俺は鈍感じゃねぇからアレだけど。


めちゃくちゃ惚れた女の初恋が自分とか最高だわ

初恋は実らねぇとか言うけど俺は遠回りして結果的に実ったしな。



「ひとつ…お願いしていいかな…」

俺に抱き付いたまま言いにくそうに硬い声でみさきが切りだした。


「ん?」

「あたし、自分が助けてもらった時のこと何にも知らない。今まで聞く勇気がなくて聞けなかったから、真太郎と大我にちゃんとありがとうって言えてない。助けてくれたこと感謝してるって言いたいの。一緒に聞いてくれないかな…」


正直に言えば俺もそこを聞くのは怖ぇ


けどみさきが恐怖を乗り越えようとしてんのに、俺が逃げたら選んでもらった意味がねぇ。


俺がしてやれることは何でもする




「分かった。お前がそう言うなら一緒に聞く」
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