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最愛 【黒子のバスケ】

第14章 黒須みさき16歳


帰国の日、一人で歩くのがやっとで大我に支えてもらいながら飛行機に乗って、フライトの間中ずっと、この飛行機が墜落でもしてくれれば一瞬で楽になれるって思って、それを望んでた。


今考えれば最低なことだって分かるけど、当時はもう自分の事以外何も考えられなかった。


それでもあたしの希望がかなえられることはなくて飛行機は成田に着陸した。


ホテルにチェックインするのかと思ったのに、大我はあたしをそのまま真太郎の病院に連れて行った。

そこで初めて当時研修医だった玲子先生に出会った


「初めまして。綿貫玲子です」

頭を下げて挨拶を返すとあたしを見て目に涙を溜めながらそっと手を握ってくれた

「あたしが絶対元気にしてあげるからね。みさきちゃんが元気になれるようにお手伝いするからね。今はちょっと疲れちゃってるからしっかり休もうね」


そう言って入院の手続きが取られた


「身体測定したいと思うんだけど大丈夫?」

首を縦に振って肯定すると看護師さんが来て用意だけ済ませて大我も別室に行って先生と二人になった。

「今日はそのお洋服のまんまでいいからここに乗ってね」


そう言われて体重と身長を計ると151㎝で体重は27キロだった。

普段は37か38キロくらいだったから自分でも少し驚いた。


「ちょっと痩せちゃったね」

カルテを見て先生が優しく笑ってくれたけど、ちょっとじゃないなんて分かってた。

食べてないんだから当たり前だった。



大我が部屋に呼ばれて、あたしの入院する部屋に案内されて一緒に歩いたけど、もうクタクタで途中で歩けなくなって大我におんぶしてもらって部屋のベッドに寝かせてもらった。


「みさき、俺もここ泊まるから眠いときは寝るんだぞ」

「うん。バスケいいの?」

「休みだって言っただろ」


シーズンオフでもないこの時期に休みだなんてちょっと考えれば嘘だって分かるのにあたしは自分に都合よくそれを信じた


入院してからもあたしは食事を拒否してずっと点滴をしてた。
体重が25キロになると、もう一人では立つこともできなかった


「ほら、あーんしろ」

「お腹空いてない」

「ちょっとだけだ。これ1口だけ」

「…」

「だんまりしてもダメだ」

大我は、中々口を開かないあたしを根気よく説得して一日に少しづつ食べ物を食べさせてくれた
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