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最愛 【黒子のバスケ】

第14章 黒須みさき16歳


『あっつ‼!』

女優さんの声で我に帰るとさっきまで持っていたはずのコテを落としたせいでそれが耳に当たってしまって火傷させてしまっていた。

『すみません…すぐに冷やすものを持ってきます』

すぐに氷で冷やして女優さんも気にしないでって言ってくれたけど、仕上がりは最悪で結局BOSSが直して撮影をした。


撮影が終わって案の定BOSSにものすごく叱られた。

『どういうつもり!?こっちであたしと一緒に頑張るって決めたでしょ!?』

『…』

『どんな状況でも100%クライアントを仕上げるの。それができないのに何で現場に入ったの!?』

『…』

何も答えられなかった。
答えなければいけないのに口が動かなかった。

笑うことも怒ることも泣くことももう何もかも嫌になった。

何も言わない私を見てBOSSがおかしいと思ったのか口調を和らげて目線を合わせた。

『ベイビー。あたしの目を見て』

いわれるがままにのろのろと目線だけを動かしてBOSSの目を見ると驚いたような顔であたしを見てた。


『明日は、休みなさい』

『…』


だらだらと道具を片付けていると何も言わずにBOSSが手を貸してくれて家に送り届けてくれた。

『今日ご家族はいるの?』

首を縦に振ると家の玄関まで連れて行ってママにあたしを引き渡すと家に入るように促されてその通りにした。



BOSSに現場を休むように言われて2週間。
あたしはもう自分の存在価値が分からなかった。
必死でやってきたつもりのメイクだって褒められたことはなかった。アクターをやらせてもらえてたけどそれはすべてBOSSの弟子だから。

生きてる意味なんてもうなかった。

そう思ったら寝ることも食べることもしなくていいような気がした。

『みさき、病院いこう』

ママは何度もそう言った

でもあたしは全く反応しなかった。できなかった。


それからあたしは何も食べずにいて体重はどんどん減って
あたしが何も食べなくなって数日経った頃大我が突然あたしの実家に来た。


『みさき、次の日本俺も一緒に行くからな』

久しぶりの大我だった。心からホッとした

『バスケは?』

『大丈夫だ。休みもらってる』

数日後にアレルギーの検査の為に日本への帰国が決まっててそれに大我が一緒に来てくれることになった。


その日あたしは久しぶりに目を閉じた

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