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最愛 【黒子のバスケ】

第14章 黒須みさき16歳


「みさき、真に受けちゃダメ。みさきは何にも悪くない」

「…」

「みさき‼あなたは何も悪くないでしょ!!」


何も答えないあたしをママは泣きながらずっと抱きしめてくれてた。


1週間後にフライトを控えていたけど、その時点で一番早いフライトに変えて次の日の朝あたしはアメリカに戻った。

ママは何かあった時のことを考えてマンションを引き払って暫くはホテルで生活をした。

日本に赴任したばっかりのママがアメリカに戻る希望を出しても会社はすぐには認めてくれなかった。
ママは会社を辞めて戻るって言ってくれたけど、あたしはそんなこと絶対してほしくなくて、おばあちゃんがLAの家に毎日来てくれて、パパも週の半分をLA勤務に切り替えてくれたから、ママはその後2年は日本で仕事をしてた。

パパはLAに戻れない日もあったけど、週末は必ず一緒だったし、ママは2か月に1回は帰って来てくれた。


そして、8月にはこっちの高校に来ることになった大我がアメリカに戻ってきた。
その時大我のパパはボストンに赴任してて、LAのお家には大我だけだったから徐々に大我の家にいる時間が増えて、気づけば一緒に暮らしてた。

家族といる時間が、その時のあたしには耐えられなかった。




その後少し経った頃パットの弟子になれて、メイクの道が開けたことであたしはあの事を忘れようって思ってメイクに没頭した。

事故に遭ったんだって思って思い出さないように、考えないようにしてた。

日本では大騒ぎになったけど、アメリカではあんなニュース知ってる人は一人もいなかったから都合がよかった。


あたしがまたLAの高校に戻った理由をを聞いてくる友達もいたけど、日本は合わなかったって適当に誤魔化して、友達からの誘いも全部断って、授業以外の時間はずっとメイクのことを考えて一人でいたから友達もいなくなった。
けど、誰にも邪魔されずにメイクに集中できたことは却ってよかった。

大我と生活して、大我はバスケであたしはメイクでそれぞれ忙しかったけど毎日一緒にいることであたしは安心できた。


今思えばあれは多分依存だった。
大我がいなかったらあたしは生きていけないって思ってた。

「みさき。ブルズが決まった」

「え?!ほんとに?!おめでとう!!すごいよ!大我すごい!!」

「ありがとな。向こうの家、週末にでも探しはじめるか」
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