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最愛 【黒子のバスケ】

第14章 黒須みさき16歳


覚えてるのはここまでだった。


次に目を覚ました時は病院にいてママとパパ、警察と大我がいた。



「みさき…ごめん。謝って済むなんて思ってない。バスケに夢中になって……俺のせいだ」

大我が泣いてる。
大我のせいじゃないのに


「みさき、ママがちゃんと一緒に帰国してれば…ごめんね。……ごめんね」

ママも泣いてる
ママは悪くないのに

「他人を助けててお前をこんな目に遭わせて……本末転倒だ。他のどんな人よりお前を守ってやるべきだった」

パパが泣いてる
強いパパが泣いたとこなんて一度も見たことがなかったのに



あたしが目を覚ました時は既に2日間経ってた。

知らない間にいろんな検査がされたらしく、婦人科の先生から話があるって言われて、ママと二人だけで病室で結果を聞いた。


「精液やその他体液は一切検出できませんでした。外陰部もラテックスアレルギーによる炎症以外所見はありません。結果として、性交渉がなかったという判断になります」


無理矢理されれば傷ができたり、最悪裂けたりすることがあるらしいけどそういうものはなかったらしい。


「ただ、ラテックスアレルギーの強い炎症が膣内にも見られるので、その理由までは、判断できかねます」


先生が出て行ってママがあたしを抱きしめてまた謝られた。


「誰も悪くない。あたしが悪いの。大我もママもパパも誰も悪くない」

あたしのせいで……
みんな泣いてる


「先生はああ言ったけど、みさきはどうして中も炎症があるのか心当たりはある?」


きっと警察に聞けって言われてママが聞きたくないことを聞いてる。
眉間に皺を入れて苦しそうにしてるママが自分の意思で聞いてるってことはなさそうで、部屋の隅でメモを持った女性警察官が何か書いているのが見えた。


「……証拠を残すなって…ラテックスの手袋して……触られたから……」


「そうだったの…」


そして次の日から病室での事情聴取が始まった。

それと同時期に夕方に、高校近くの公園で起きた傷害事件ということでニュースにもなった。
そして被害者が近隣の高校に通う16歳の女子生徒ってところまで報道された。


毎日毎日何度も何度もされたことを話した。


「相手のことは覚えてる?」

「3人いて一人は白鴎高校の山本悠斗です」



警察はあたしの言葉を信じなかった。

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