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最愛 【黒子のバスケ】

第14章 黒須みさき16歳


山本さんとの通学は結局春休みまで続いた。


「今日で俺は学校最後だから」

「今まで本当にありがとうございました。サッカー頑張って
ください」

「みさきちゃん、やっぱり俺じゃダメかな?友達でいようって思ってきたけど、好きなのは変えられなかった。もう一回考えてくれないかな」


「ごめんなさい。山本さんにはすごく感謝してます。でも…そういう風に見ることはできないです。本当にすみません…」

「そっか。分かった!ありがとう。楽しかった」


そう言って森ケ崎の駅で別れてこれが山本さんに会う最後だと思ってた。




春休みに入って大我はIHに向けての練習がどんどん厳しくなって、一人で家にいることが増えてそれも退屈だった。


その日あたしは真太郎のパパのところでエピペンをもらったりアレルギーの検査を午後にやることになってるからちょっと早いけど出かけることにした

少し丈の長いトップスにデニムの短めの丈のスカートと脚が長く見えるようにヒールのパンプス
生足でも寒さは全くなかった

軽くメイクをして毛先だけ少し巻いた

靴が好きでヒールなんて履いて生意気な高校生だった



春の東京はその日、すごくあったかかった。

気温は春としては高い27度

寒いのが苦手なあたしにはありがたかった

桜のつぼみが遠めでもはっきり分かるほどピンクに色づいて開花目前

空も青くてマンションを出た先では保育園の園児達が楽しそうに遊んでた


電車に乗る気分にはなれなくてヒールなのに1駅分歩いて比較的空いている車両を選んで、山本さんが教えてくれた通りに壁に背中をつけてバッグを胸に抱えて乗った。


デパートで新作のメイクパレットを見たり、ママが来たら使って欲しくて限定のキンモクセイの香水を買った


病院の予約時間が近くなって、いつの間にか巨大な総合病院になっていた真太郎のパパの病院に向かった。


病院で携帯の電源を切ろうとしたらメッセージが入ってた


(悪りぃ。緑間とちょっと練習してきてぇから先帰れるか?暗くなる前に終わらなきゃ連絡しろよ)


病院終わったら連絡すればいっか




「じゃあ結果は1週間後だから、また何かあれば連絡するよ」


「これが新しいエピペンだよ。使わないに越したことはないけど必ず持ち歩くんだよ」

古いエピペンを返却して新しいエピペンを受け取って病院を出た
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