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最愛 【黒子のバスケ】

第14章 黒須みさき16歳


取り敢えず今日のことは大我には黙っておこ…

心配かけたくなかった。

それに大我がいない日は山本さんが一緒に行ってくれるならもう同じことは起きないと思った。


大我と時間の合わない月、水、金の朝と毎日の帰りの電車はいつも山本さんと一緒だった。


「みさき、お前白鴎の男と付き合ってんの?」

「え?何急に?付き合ってないよ。何で?」


「キャプテンがお前と白鴎のが一緒にいて仲良さそうだったとか言ってたぜ」


秀徳は髪を染めちゃいけないって聞いて慌てて戻した時にお世話になった日向さん。
まさか見られてたなんて思わなかった

「全然付き合ってるとかじゃないよ。別に好きとかじゃないし。ちょっとたまたま知り合って時間の合う時は一緒に電車に乗ってるだけ」

「ふーん。どんな奴?」

「どんなってあたしもそんなに知らないけど、白鴎の3年生でサッカー部引退してるけどプロ入りが決まってるって言ってた」

「たまたま知り合ったってどうたまたま知り合ったんだよ」

「…」

「みさき、おばさんにお前の事頼まれてんだ。変に隠すなよ。付き合ってたって別に何にも言わねぇよ」

「だから付き合ってないってば。恋愛感情は本当に全くないの。一緒にいたのはなんて言うか...その...」

大我に詰め寄られてこの時初めて痴漢に遭ったことを話した。


「はぁ!?黙ってんなよ‼お前、そういう大事なこと何で言わねぇの?」

「だって…心配かけると思ったんだもん」

「心配に決まってんだろ!幼馴染なんだから。それで、大丈夫だったのか?」

「うん。ちょっとスカートの上から触られただけだし、それからは大我いないときは山本さんといたし、ちゃんと山本さんに教えてもらったように乗ってるから」


「ならいいけど…マジでそういうことあったんならちゃんと言ってくれ。知らねぇとこでお前になんかあったらすげぇヤダ」


「分かった…ごめんなさい」

「分かればいい。けどまぁいい奴に助けてもらえて良かったな」

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