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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


side青峰

一人で部屋にいたおかげでどん底だった気分も少しはマシになった


風呂でも行って気分転換するか…


鉛のように重く感じる体をだらだらと動かして風呂の用意をして部屋の扉を開けた。






‼‼

ビビったー…

開けた瞬間目に入ってきたのは今にも泣きそうなみさきだった。



「どうした?火神呼ぶか?」



みさきがここに来たなら火神に用事があんだと思って、できるだけ平静を装って話すと俺を見て眉を下げて涙をボロボロ流し始めた


「ちがっ…ごめん…」

何故か謝りながら涙を必死に拭うみさきを見てるとどうしたって抱きしめたくなっちまう

…でもそれは今は俺の役目じゃねぇ

「火神呼ぶから、今誰もいねぇし中入れ」


部屋に入れる為に出入り口を塞ぐ自分の体をよけると、すっげぇ泣いてるのに俺の浴衣の袖を握って一生懸命何か話そうとしてる


「ちっ…がうの…」

しゃくりを上げて肩を震わせて何とか言葉を絞りだそうとするみさきを部屋に入れると、深呼吸をして泣き腫らした目で俺の目を見て口を開いた




「大我じゃなくてっ、青峰君に話したいことがあって…もし時間があったら聞いて欲しいって思って…自分勝手だって分かってるけど…聞いて欲しいことがあって…」


こんなボロボロ泣いてんのに可愛いとか思う俺はもうどっかイカれてる


入口に突っ立ったままのみさきの手を引いてカウチに座らせると下を向いて膝で手を強く握って一生懸命何かを考えてるように見えた




「ごめんなさい…」


「それは屋上でも聞いた。もう謝るな。お前は別に悪いことを言ったわけじゃねぇ。俺とは付き合えねぇってことに罪悪感を持つ必要なんてねぇよ」








「…違うの…」

「じゃあ何で謝んだよ」

























「あたし…ほんとは」


俯いたまま消え入りそうな声で言ってまた涙が手の甲にぼたぼた垂れ始めた。




………





本当は…青峰君が…







______すき……なの…



すげぇ小さくて震える声だった
泣きながら手が真っ白になるほど握り締めて俺に気持ちを伝えてくれた




「みさき…」




愛しくてどうしようもなくて、カウチに座るみさきを強く抱きしめて背中を撫でると、小さく何度も“ごめんなさい”って俺に謝る声が聞こえた
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