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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む



何年でも何十年でも待つって言った言葉に偽りはなかった。


シカゴで思いがけずみさきの気持ちを知ったとはいえ、本人から面と向かって言われなきゃ実感はほとんどねぇようなもんだった。


まさか、今日その言葉を直接聞けるとは思ってなかった。


めちゃくちゃ泣いてすげぇ苦しそうで、俺に謝ってるみさきを見ると俺が告白なんかしなきゃこんな思いさせなかったのに、みさきから好きだって言葉を聞けたことが死ぬほど嬉しかった。



泣き続ける華奢な背中を撫でて抱きしめてると、肩がみさきの涙で濡れるのが分かる程涙を流してる。


けど、みさきが泣きたいなら、俺のいるところで泣いてるなら、気が済むまで泣かせてやりてぇ。



いろんなことを背負って、いろんなことを我慢してきたなら、俺の前ではそういうことから解放されてほしい。








しばらく泣いて少しずつ落ち着いたみさきが大きく深呼吸をして、俺の胸を押して距離を取ってから、もう一回深呼吸をして、真っ直ぐ俺を見て口を開いた。



















「話を…聞いてほしいの…」



直感した
きっとみさきは過去のことを話そうとしてる


「みさき、無理するな。俺は…」

「聞いて欲しいの。ちゃんと全部知って欲しい。黙って何もなかったフリしてるのはズルいから……それを聞いてあたしをもう好きじゃないって思われてもしょうがないって思ってる。でもあたしは好きな人に隠し事はしたくない。だから聞いて欲しいの…」



やっぱりみさきは、誰よりもまっすぐで強くて正直な女だ
みさきがそう思って話してくれるならどんなことでも受け止める



「分かった。辛くなったら無理しなくていい。話せることだけでいい」


「全部話さなきゃ……あたしは先に進めないの……」


涙を半ば無理矢理止めて、強い意志のある声で俺を真っ直ぐに見て言うみさきは覚悟を決めてるようだった


だから俺も覚悟を決めた。



どんなことがあっても、この先俺はみさきしか愛さない
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