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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む



「だってあたしと付き合ってもそういうこと、ずっとずっとできないかもしれないんだよ?いい歳して怖がって……あたしの都合で青峰君に我慢させて傷つけるんだよ…それが分かってるのに付き合うなんてできない」


「決めつけるな。それに、そういうのを一緒に乗り越えてくのが付き合うってことだろ?青峰は絶対お前に寄り添ってくれる。あいつが女に告るのなんて初めてだぞ。それだけお前に惚れてんだ。できないから嫌いになるなんて絶対ねぇ。辛い思いしてきた分青峰に甘えればいい。あいつなら全部受け止めてくれる」

「……」

「それにお前、青峰しか好きになれねーだろ?ここで捕まえとかなきゃ一生後悔するぜ」

「……」

「お前は、幸せになっていいんだ」

「…たいが……」

「ん?」

「ごめ…さい…あたしの気持ちが分からないとか言って…ごめんね…」

「謝る相手は俺じゃねーだろ?青峰なら部屋にいるから」


「きらわれちゃったら、真太郎と一緒に骨拾ってくれる?」

「拾う骨があったらな」




全部大我の言う通りだった。

本当は好きって言ってもらった時すごく嬉しかった。
でも怖かった。
自分の過去を知られることも嫌われることも、普通の恋人たちがしてることに対して漠然と恐怖を感じていてそれができないかもしれないってことも。

怖くて向き合いたくないから誰も好きになってこなかったのに、青峰君と知り合ってどうしようもなく大好きになって、名前を呼ばれる度に、抱きしめてもらう度にこの人に好きになってもらえたらどれだけ幸せなんだろうってずっと思ってた。

だけど、あたしは弱くてズルくて幸せになる資格なんてないんだってずっとずっと思ってきた。
大我に頼り切って真太郎によりかかって玲子先生に甘えてきたあたしが何もなかったような顔をして好きな人と付き合うなんてできなかった


だから無理って言い切れば今は辛くても時間が経てば忘れられるって思い込みたかった

だけど
ずっと押し殺してきた本音を大我に簡単に見抜かれた。
あたしはきっとこの先、どんな出会いがあっても青峰君を忘れるなんてできない

でもやっぱり、何も無い振りをして付き合う事はできなくて、青峰君に嘘や隠し事をし続けることもできない

全てを話して、嫌われてしまうとしても



「大我……頑張れって言って」

「頑張れよ。そんで、ちゃんと幸せになれ」
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