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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


side青峰

断られることは最初からなんとなく感じてた。

けどみさきに何度も言われた“無理”って言葉は想像以上にキツくて、屋上を出るみさきをちゃんと部屋に送り届けてやれなかった。


多分…泣いてた。


泣いた顔を見られるのが嫌いなみさきが真っ直ぐ部屋に戻るとは思えなかった。

旅館から出るなら正面だってことは分かってたから、もし出てっちまったら火神に言って一人にさせねぇようにしようと屋上から正面を見下ろしてた。


動けなかった。
好きな女に拒絶されんのはこんなに辛いもんなんだと初めて思い知らされた。


「はぁー…」


何度吐いても吐き足りないため息を吐いていると、案の定正面玄関から出てきたけど、敷地を出ようとはしてないみさきを見て火神に連絡する必要はねぇと思った。


顔は全然見えねぇけど、時々顔に手を持って行って涙を拭いてるように見えた。


泣かせねぇっつったのに……早速泣かせた


けど伝えたことは後悔してねぇ。
手術で万が一のことがあって二度と会えなかったら伝えなかったことを後悔するなんて目に見えてる。


俺のわがままで泣かせちまってごめんなって言葉にならねぇ思いを心の中で呟いた。



落ち着いたのかみさきが旅館に入って行ったのを見届けて、少し経ってからさつきにメッセージを入れた。


(みさき部屋にいるか?)


(いるけど今はちょっと会えないと思う)


(分かった)

いくら幼馴染でも告って振られたなんて言いたくねぇ。
俺といたことを知らねぇならそれはそれで俺にとって都合がよかった。



屋上で一人でこれからどうすればいいのか考えてはいたけど、何も思い浮かばなくて、冷えたせいか腕も痛みが出てきたことで俺も部屋に戻った。




「やはり…ダメだったようだな」

「あぁ」

「あいつなんだって」

「とにかく無理の一点張りだった」


みさきから屋上に行くって連絡をもらった時、緑間と火神にはみさきと会うってことを言ってあった


多分二人とも俺が告るつもりだってことは最初から分かってたらしく、屋上に行きたがる黄瀬に適当な理由で来ねぇようにして赤司の部屋に紫原とテツといるらしい


「さすがにしんどいわ…」

「だろうな。一人にしてやるのだよ」


さすがに今は誰かといるって気分になれなくて、俺が出ようとしたけど二人が気を利かせてくれた
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