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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む




もう我慢できなかった

みさきはずっと星を見てたけど、俺はみさきを見てたから一瞬泣きそうな顔をしたのを見逃さなかった


意を決したようにカバナから立ち上がって伸びをしたみさきが、何かを言おうとしたけど、それを聞いたら何も言えなくなりそうで、華奢な背中が消えてなくなっちまいそうで咄嗟に強く抱き締めた

今しかねぇと思ったら勝手に口が動いてた





女にこんな事言うなんて初めてで、気がついたらその言葉だけが口から零れてた









「……な、なな何が!?」




………はぁ!?


何がってこの状況でそれ聞くのかよ!?
お前に決まってんだろ?!
逆にお前以外になにかあるなら俺に教えてくれよ


鈍感もここまでくると逆に清々しい


告ったのに気付かれねぇとか俺マジダセェやつだわ
けど伝わんなきゃ意味ねぇし……


もっかい言うか…


「お前が好きだ」




「……あ、あああ青峰君酔ってるの!?」


こいつ…
人の気も知らねぇで…


「酔ってねぇ。マジで言ってる」



抱き締めた腕を外して肩を掴んでみさきを俺に向き直らせると、俯いたまま顔を上げようとしない

「みさき、こっち向け」

「…あのっ……ちょっと待って」

「待てねぇ。こっち見ろ」

渋々顔を上げたみさきの目を見て、もう1回はっきり気持ちを伝えた

「みさき、お前が好きだ。…だから俺はお前と付き合いてぇって思ってる」

俺の言葉にでかい目を更に見開いてバタバタまつ毛を動かして、この薄明かりの中でも分かる程目に涙が溜まっていく



「………」





「何か言えよ…」


流石の俺もこの沈黙はキツい





「…あ、あの、え、あの…えっと……その………ダメ……なの。む、無理…」

だろうな
あの反応でOKなら逆に驚きだ


「理由は?」



「…あたしは…ダメ」

「俺はお前がいい」



「…無理…だよ」


「どうしても無理か?」

「うん…無理なの………ごめん…なさい」



「分かった。今はもう言わねぇ。……けど諦めねぇ。何年でも何十年でも、お前がその気になるまでずっと待ってる」


「…ずっと…無理なの」


苦しそうに半分涙声なのに、泣くのを必死にこらえて拒否し続けるみさきが可哀想で見てられねぇのに、振られた今、俺にしてやれることは何もなかった
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