• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


「そろそろい時間だね。一度お開きにしようか」


赤司さんの声で広間から出て部屋に戻ると6人でちょぴり飲み直そうってことで軽めのワインとチーズを頼んで赤司さんとありささんのなれそめをみんなで聞いてる。


「征十郎さんとはお見合いでね、はじめは大っ嫌いだったの」

「えっ!?」

「大っ嫌いなのによく結婚しましたね」

「プロポーズだってね結婚した時はなかった」

「赤司君なんて言ったんですか?」

「似た境遇同士利害が一致している。今の俺たちはこの話を進める親たちに抗える程の力がまだない。今後も不毛な見合いに時間を割くくらいなら互いにここで手打ちにするのが賢明というものだ」


「「「え…」」」

それはちょっとヤダな…
怖いし、利害で結婚なんて。
生粋のお金持ちの人ってやっぱりいろいろ大変なんだ

「でも、結婚した時はなくても後からあったんでしょ?」

「玲子さんみたいに指輪パカッてのはないわよ。でも結婚して2年経った頃に“もう一度俺と結婚してほしい”って言われて結婚指輪を買いなおしたの」

お互いに興味が持てなかったせいか、結婚指輪ですら赤司家の筆頭執事さんが決めて購入したらしい。
だけど結婚生活の中で徐々にお互いに好きになって赤司さんがプロポーズをしたって話だった。


「最初の結婚指輪どうしたんですか?」

「君を大事にできなかった後悔を忘れない為にって言って今も征十郎さんが持ってるみたいだけど、私はもうずっと見てないわ」


なんか赤司さんって思ったよりもロマンチストなのかも。


その後、すみれさんと紫原さんのなれそめをきいたり、玲子先生のなれそめを聞いて、さつきと美緒も知り合ったきっかけを話してた。

なんかいいな。
好きな人と付き合えたり結婚できたりするのってきっと幸せなんだろうな

ありささんは最初は大変だっただろうけど今は幸せそうで、結果的にはよかったってことだよね



でもあたしは…

幸せになっていい人とそうじゃない人がいる。
手元のワインを見つめてると少しだけ喉の奥がツンと痛くなった。


「みさきちゃん。風にあたる?」


「ちょっと屋上行こうかな。この時間なら星いっぱい見えそうだし」


先生に嘘はつけない。
あたしの気持ちが沈んだことを悟らせちゃった。

楽しい雰囲気を壊したくなくて明るく言ってから部屋を出た。






/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp