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最愛 【黒子のバスケ】

第5章 色褪せない想い


side火神

今夜アメリカに戻るからみさきが仕事の間にベッドシーツやカバーを洗濯しておいた

いつもやらなくていいって言ってくれるけどただで泊まってそのまま帰るのは幼馴染でもなしだと思ってる


午前中に仕事から戻ったみさきをいつも通り玄関で出迎えた。

これも今日で最後か…


「あたしがいなくて寂しい?」

すげー寂しい
好きなヤツと一緒に過ごして別れる時ってのは何とも言えない寂しさがある。

まぁそんな事言えねぇから誤魔化すように冗談を言うと笑いながら睨んでくるから泊めてくれたお礼を言うとまた来てと言ってくれたけど…

無自覚は罪だ

このまま話してたら好きだって言っちまいそうで用意をするって寝室に逃げた

そもそも用意なんてほとんど終わっていてやることなんてない。
睨みつけてくるセルジオの写真を指で弾いた。

手出さなかったからいいだろ?

出さなかったんじゃなくて“出せなかった”だけなんだけどな

嫌われたくねぇんだよ

けどみさきといて抱きたくなることって……ねぇな
ハグはすっげぇしてぇし落ち着くけど抱きてぇってのはねぇ

まぁ俺はあいつがそういうの無理だって分かり切ってるからそう思わねぇだけだと思うけど

しかも、多分俺は性欲が少ねぇ気がする
皆無って事じゃねぇけど確実に青峰よりはねぇ


そんなことを考えて気分を落ち着けてるとリビングからみさきの声が聞こえた。

みさきには珍しく割とデカい声で電話してるから何事かと思って寝室を開けるとみさきらしからぬ雑な座り方でドサッとソファに座った

何かと思えば黄瀬と週刊誌に載るらしい。けど、

似合わない
似合わなさ過ぎて笑いがこみ上げて笑っちゃいけねーと思いながらも笑いは止まらねぇ


みさきは黄瀬を男だと意識してないし黄瀬もみさきを女として意識してない。この2人程似合わない組み合わせはねぇ



出る時間になって青峰の家の行き方を説明すると大丈夫と言いながらもちらちらとルームミラーを確認したり芳香剤を触ったりして落ち着かねぇ様子に頬が緩んだ


多分青峰を乗せるから気になるんだろうな…
ほんと可愛いヤツだな


こいつのこんな一面を引き出した青峰にはちょっと感謝もしてる
いきなり出てきてかっさらわれた感は否めねぇけど



いや、




やっぱ、ムカつくわ


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