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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


機内で10時間寝ていたことと食事をとれなかった空腹で目が覚めるともうすでに東京のものとは全く違う緑の多い景色が広がっていた。


「起きたか?」

「あ、あおみねくん…おはよございます」

「なんか飲むか?」

いつの間にか玲子先生と席を交代した青峰君が横に座っていて寝起きのあたしの頭を優しく撫でてくれる。


シートを起こして青峰君からもらったペットボトルを飲むと時差ぼけの怠い感じが軽くなった


「これあたしが飲んでよかったの?」

「あぁ。お前機内食も食ってねぇんだろ?腹減ってねぇの?」

「お腹空いた。でもお昼までまだ時間あるよね」


寝てる間にサービスエリアを通り過ぎていたらしく食べる物も買い損ねたからお昼まで我慢しようと思ってたのに青峰君がおにぎりを渡してくれた。


「わぁ!鮭のおにぎり大好き」

「知ってる。この間その話しただろ?」


朝送ってもらったときに寝過ごして朝ご飯を食べる時間がなかったからコンビニに寄ってもらって一緒におにぎりを買ったんだけどその時に何の具が好きかって話になってあたしは鮭で青峰君は明太子だって話をした。

何気ない会話だったのに覚えててくれたんだって思ったらすごく嬉しかった。



「峰ちん、俺もお腹空いたー」

「はぁ!?お前さっき袋に大量に買い込んでたのどうしたんだよ」

「そんなんとっくに終わっちゃったに決まってんじゃん。いつの話してんの~」

「お前どんだけ食や満足すんだよ…」

「え~…いっぱ~い」



ちょっと早いけど、紫原さんがいくら食べてもお昼に差し支えないなら先にお土産の食べてもらおっかな。


「あたし、お菓子のお土産ありますけど、食べますか?」

「食べる~。どこ行ってきたの~?」

え…さっき言ったのに(笑)

「ミラノです。紫原さんお菓子大好きだって聞いてたし、パティシエさんだからちゃんと現地の人においしいの聞いて買ったので多分大丈夫だと思うんですけど」


他の人のお土産はキャリーだけど、壊れやすいチョコとかクッキーがあったからこれだけは別に持っておいて正解だった。

バッグとは別に持って来てた紙袋からお菓子が詰められて綺麗に包装された大きな袋を取り出してすみれさんに渡した。


「わぁ~!これすっごいおいしそうなのたくさん入ってるよー」

「ちょーだいちょーだい」
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