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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


何度も普通のタクシーを使うって言うあたしに、ついに青峰君があの言葉を言ってくる。

「俺がお前の事心配しすぎて自分の腕のことに集中できなくて、レイカーズでやる間もなくクビになってもいいんだな」


そ…それは…


ズルい‼‼


「今それ言うのすっごいズルい‼言うこと聞くしかなくなっちゃうじゃん」


「なら大人しく聞いとけ。火神が来るまでの4日間はタクシーじゃなくてこっち使え」


「…分かりました」

半分ふてくされて一度は返したカードを受け取ってバッグにしまうと、青峰君がスマホをいじって何かやってる。


それが終わると、スマホをしまってあたしの頭をポンポンってしてすっごく優しい顔して笑ってくれた。

「明日の朝下に来るようになってるから荷物大変なら運んでもらえ。ちゃんと女の運転手にしておいた」


大変根回しがよろしいようで…とっても助かりました。

でもすっごく感謝してる
青峰君にとっては普通なのかもしれないけど、こんな風に男の人に大事にしてもらってるって感じるのは初めてだった。


大我とか真太郎は全然別としても、あの事以降に知り合った男の人でこんな風に安心できるのは青峰君だけだった。


「本当に色々ありがとう」

「俺がそうしてぇの」

ほらまたそう言ってくれる。



ソファで話しながらあくびをする青峰君を見たら、長いこと引き留めてたことに気付いて帰りが心配になった。


「眠い?」

「少しな」

「仮眠して。20分したら起こすから」

20分以上寝るのは良くないけど眠いまま運転なんてもっと良くない。




「お前もこっち来い」


マグを片付けてブランケットを持って戻ったら、ソファに寝転がった青峰君があたしを隣に呼んだ。

「うちのそんなに広くないから…」

「いいから来いって。夜はまだ冷えるだろ」

あたしの手首をゆっくりつかんで優しく引っ張ってソファに誘われる。


「狭かったら言ってね」


アラームをセットして一緒にブランケットに潜り込んだら、仕事の疲れもあってあたしもあっという間に眠ってしまっていた。

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