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最愛 【黒子のバスケ】

第5章 色褪せない想い


side青峰

さつきの家の前に誰かの車が止まってライトをハイビームのままにしてるせいか無駄によく吠える向かいの犬が吠え続けてすげぇうるせぇから知り合いならライトを消させるために外に出た



あの車…黒須か?

暗くて中に乗ってるやつは見えねぇけど黒須と同じ車だったからそうだと思って近付くとやっぱそうだったけどさつきが背中をさすってたし顔をハンドルに置いた手に乗せてる

…泣いてんのか?


泣いてんのに俺が声をかけんのは憚られた


しばらくしてさつきが降りて普通に“バイバイ、ありがとね”とか言ってるのが聞こえたからケンカじゃねぇっぽい。

まぁ良い大人が喧嘩じゃ泣かねぇか…


黒須の車が出てさつきの姿を確認してから声をかけた

「黒須のこと泣かすんじゃねーよ」


まぁさつきが背中を撫でてたんだからさつきが泣かしたわけじゃねぇってのは分かってた。

「大ちゃんには関係ないでしょ」


関係なくねーよ。
別に他の女が泣こうが喚こうが関係ねぇけど黒須が泣いてたらワケを知りてぇし俺ができることならなんだってする。

まぁ、知り合ったばっかでほとんど黒須のこと知らねぇからできることっつってもほとんどねぇけど

それに泣いてる女を慰めたことなんて一度もないから正直どうしていいかも分かんねぇ。

けど黒須が泣くのは嫌だった


さつきの質問の意味は分からなかった。

先のことなんて誰にも分かんねぇし…

けどこれから先どんなことがあってもあいつを好きでいる自信があった。


さつきがこの間言ってたみさきが自分のことを話さない理由ってのを知ったとしても過去は関係ねぇ
だから迷わねぇ


俺は何があっても黒須が好きだ





…忘れるなとか言われたけどお前に言われなくたって忘れねーよ


そして何故か黒須に送ってもらうことを知ってるさつき

「みさきをこき使わないでよね‼」

チッ…うるせーな
小姑め…
好きだって分かってんなら幼馴染の俺を応援しろよ


それにこき使ってんじゃなくて会える理由をフルに活かしてるだけだ

チャンスは活かしてこそのチャンスだろ?
チャンスが目の前に転がってるのに活かさねぇなんて俺にはあり得ねぇ


バスケも好きな女も俺は自分で手に入れる
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