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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


移動するために体重をかけたところにリモコンがあったせいでテレビがついちゃって、穴があったら入りたい程恥ずかしかったけど、青峰君がギュってしてくれて顔を隠せたから落ち着けた。


落ち着いたら離れるべきだって分かってたけど、この腕の中にいると正常な判断ができなくなる

青峰君が離すまであたしからは離れたくなかった


ずっと抱きしめたままあたしを撫でたり頬をつついたり鼻をつついたり…
なんか、あたしがセルジオを可愛がるときみたい

だけどそれ以上のことは何もされないって分かってるから、居心地がよくてずっと抱きしめてもらってた


青峰君があたしを可愛いって言ってくれるのは、多分犬とか猫に感じる可愛いっていうのと同じ

だからあたしが一緒にいても寝れるんだってちょっと納得できた。


それに青峰君はネロ君のこともよくハグしてる。

しゃがんで目尻を下げて
すっごく優しい目でネロ君を見て『いい子だ』『お前は可愛いな』『賢いぞ』って言って愛情を惜しげもなく注いでる。


「ネロ君寂しがってない?」

「実家に俺がいないことに慣れさせるように少し離れる時間作ってるから俺が出かけるときは寂しそうにするけど、帰ったらだいたい親父かお袋にかまってもらってて結構楽しそうにしてる」

ネロ君を思い浮かべてるのかすっごく優しい顔で笑って、安心したようにしてる青峰君を見てあたしもホッとした

「わー!よかったね!これで安心して行かれそう?」


「ネロのことはな。…でもお前の事がすっげぇ心配」


「え?あたし??」

「そうお前。また脚が痙攣しねぇかとか痛い思いしねぇかとか、仕事行き帰り大丈夫かとか…すげぇ心配」

「そんな…大丈夫だよ…」

青峰君だって手術があるんだからあたしの心配なんてさせたくないのに…

「お前はいつも大丈夫っつーけど、俺が大丈夫じゃねぇんだよ」


いつもより少しだけ低い声が鼓膜を揺らして、あたしを抱きしめる腕に力が入ってすごく強く抱きしめられた。


少し苦しいくらい強くてあたしを本当に心配してくれてるんだって伝わってくる


「心配かけてごめんね…」


「お前が謝るなよ…」


「だって青峰君だって手術なのに…あたしの事で余計な事考えさせてる」

心配してくれるのが嬉しくない訳じゃないけど、今は自分の腕を治すことだけを考えてほしかった
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