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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


side青峰

自分の顔と同じぐれぇあるマグを2つ持ってみさきがキッチンから出てきて、それをダイニングに置くのを待ってから抱きしめた。


みさきを抱きしめた時のしっくりくる感じを体で覚えておきたかった。

みさきは今まで抱きしめ返してくれることは少なかったけど、今日はゆっくり回した手に徐々に力が込められて行くのを感じた。


何を考えてそうしてるかなんて分かんねぇけど、手術が怖くてそうしてんなら少しでも不安を和らげてやりたくて、もう一度強く抱きしめてから解放した。




「ごめん…ダイニングだと血行が悪くなって脚によくないからソファ行かせてもらってもいいかな?」

紅茶を一緒に飲んで話が途切れたとこで申し訳なさそうにそう言われたけど、俺に許可なんて取る必要なんて全然ねぇのに…

「俺もそっち行く」


みさきのマグと俺のマグを持ってソファに移動して、センターテーブルに紅茶を置くと丁度窓から夜景の見える位置になった。

「いいとこにソファ置いたな」

「でしょー。内見したときからここに置こうって決めてたの」

「マンハッタン好きなら東京だと物足んねぇだろ」

「うん。でも見えないよりはね…あ、つまんなかったらテレビつけていいよ」

テレビが窓の横にあるせいか思い出したように言ってくるけど全然つまんなくねぇし

お前といてやかましいテレビなんか見たくねぇよ


「お前と話してる方が楽しいに決まってんだろ」

「えー、あたしそんなギャグのセンスないよ?」

そういうことじゃねぇよ…鈍感(笑)


となりに座るみさきとの距離を、紅茶を飲んでマグを置くたびに少しづつ詰めて、ついに肩が触れた。



「あ、ごめん、狭いよね」


そう言ってみさきが反対側に寄ろうとしてリモコンに触ったせいか、テレビの電源が入った。






画面に映ったのは有料契約すると見れる海外ドラマのチャンネルで、激しくキスしまくって今にも始まりそうな勢いだった。

別に俺はそんなん見たってどうこうねぇけど、前に泊まった時見た映画で軽く絡んでたシーンでも顔を隠してたみさきは、今も顔から首まで真っ赤にして、近くにあったクッションをひっ掴んで膝抱えて顔を隠して押し黙ってる。


「消すか?」



女優の作った吐息が聞こえ始めて、さすがに黙ってられなくて聞いたら、小さく“うん”って返事が聞こえた
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