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最愛 【黒子のバスケ】

第13章 未来を掴む


青峰君と話してるうちにお湯が沸いたから、茶葉にお湯をかけて開かせて、ゆっくり抽出して一番おいしく入れられる方法で紅茶を淹れた。

今日選んだのは“ミッドナイトアワーティー”

真夜中ではないけど睡眠を妨げないようにカフェインは入ってなくて、遠くにパインの香りがするすっきりした紅茶で夜用にしてるお気に入り。


「ケトルもウォーターサーバーもあんのにわざわざヤカンなんだな」


「この紅茶は95度でいれるからウォーターサーバーはぬる過ぎてダメだし、ケトルは沸くとすぐ止まっちゃうから紅茶入れるときは絶対ヤカンで沸かすの。それが一番おいしいんだよ」


これはあたしのこだわりで一人で飲むときも絶対そうしてる。
それに、毎日送り迎えしてくれた青峰君には一番おいしいのを飲んでほしかったから、普段はデキャンタに直接入れるのも今日はステンレスフィルターを使った。

何もお返しのできないあたしが、唯一今できるのはこれしかないから、一番おいしく淹れたかった


「すげぇ紅茶好きなんだな」

「うん!すごい好きだよ。紅茶以外のお茶ってほとんど飲まない」


二人分の紅茶を持ってキッチンからリビングに戻ってダイニングに紅茶を置いたら、青峰君が突然ギュっと抱きしめてくれた。


「ありがとな。仕事終わった後なのに手間かけさせたな」


「そんな…手間じゃないよ。いつも飲んでるもん。それに手間かけさせちゃったのはあたしの方じゃん。本当に毎日送り迎えさせちゃった」


「そういう契約だっただろ?」

またそういうこと言って…
きっとあたしが気にするって思ってそう言ってくれてるんだって分かってる。
だって青峰君は底なしに優しいから。


あたしも少し手を回してぎゅっとさせてもらう。
こんなに身長が違うのに……どうしてこれ程ぴったりした感じがするんだろう。

このまま寝てしまいたくなる。


「契約だったけど…」

「ネロにも会わせられたし俺としてはすげぇ良かった」

あたしだってネロ君に会わせてもらえてちょっとだけ仲良くなれたからすっごく嬉しかった。


紅茶冷めちまうなって言ってあたしを放して、青峰君がダイニングに座ったからあたしも向かい側に座って一緒に紅茶を飲み始めた。




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