第1章 視線の先
披露宴会場を出てエントランスに入ると、ソファに腰掛けて外を眺めてるみさきが目に入った。
ちょうど陽の光が差し込んでいて綺麗だったけど、ずっと見てる訳にもいかなくて、名前を呼ぶとパッと振り返ってにっこり笑って俺を呼んだ。
久しぶりに会うみさきは前に会った時よりずっと綺麗だった。
みさきに気持ちを伝えられないもどかしさもある。
でもそれ以上に、恋愛を意図的に避けてるみさきに俺の気持が知られたら、今の関係が崩れそうでビビってるってのが本音。
そんなことを悶々と考えながらみさきを連れてガーデンに行くと、早速桃井に捕まって質問攻めにされてたけど、「また話す」ってこの場を納めてガールズトークを始めた2人を見届けて赤司の所に戻った。
「やべー…すげぇ眠みぃ。顔洗ってくるわ」
「あぁ」
青峰が出て行った直後に司会のアナウンスが流れ、拍手で迎えられながら緑間と玲子さんがが入場してきた。
式のときは緊張からか表情は硬かったけど、今は少し笑みを浮かべている。
すげぇ幸せそうであの緑間がこんな風に笑うなんて、今日は占い1位で間違いねぇ。
「みさきも間に合ったようで良かったのだよ」
玲子さんとゆっくりゲストの間を歩きながら、通り越しざまに俺に言ったのを聞いた玲子さんが手を振ると、満面の笑みで手を振り返すみさきが見えた。
みさきがあんな風に笑えるのも玲子さんと緑間のおかげだ。
この2人には感謝してもしきれない。