第12章 何度でも
side青峰
「プレオープン?」
「赤ちんの新しい旅館」
「いや、聞いてねぇし5月のいつかにもよる。初旬じゃ無理だわ」
「え、下旬。22.23」
「なら行けるわ。他の奴らは?」
「赤ちんはもちろん奥さん連れてくるっしょ~。んで、みどちんも連れてくるし、黄瀬ちんと黒ちんは彼女に聞いてみるってとこまで話したってー。あ、あと火神は考えとくって~」
「はぁ?連絡来てねぇの俺だけかよ」
「だーかーらー絶対来てるってば。みどちんの結婚式の時のグループでメッセージきたし」
「あ、なら来てねぇわ。番号変えた時に全部変えたからアカウント変わっててそれ俺入ってねぇ」
「赤ちんが峰ちん招待してあるし」
紫原に言われてスマホを開くとグループに招待されてて赤司からも個別でメッセージが入ってた
みさき以外の連絡なんて気にしちゃいなかったから全く気づかなかった。
(軽井沢で9月に新しく全室スウィートの低層温泉旅館をオープンさせるが5月に内輪だけでプレオープンをする。身内や恋人の同伴も歓迎する。それぞれに考えて返事をくれ)
これにそれぞれが返事をしてた。
そして俺の個人メッセージには
(今の時点で恋人でなくても彼女の了承が取れさえすれば連れてきて構わない)
みさきが好きなんて一言も言ってねぇのになんで知ってんだよ
けどこの日程だとみさきは帰国と被っちまってるな
一応聞くだけ聞いてみるか
「みさき、22.23で赤司の新しい温泉旅館行くか?」
「あ、あたしその日帰国したら直接美緒とさつきと合流して旅行なの」
「マジかよ…すげぇ強行スケジュールだな」
それならどうしょうもねぇか…
ってことは黄瀬とテツも1人で来んのか。
「お前らどこ泊まんの?」
「まだ全然決めてないの!でも温泉にしようって言ってるとこ。温泉とか生まれて初めてですっごく楽しみ」
温泉に行ったことがねぇらしくニコニコしながらネロを撫でて、“ネロも大きいお風呂入りたい?プールの方が好き?ロス来たらうちの実家のプールで遊ぶ?”とか言ってめちゃくちゃニコニコしててすっげぇ可愛い。
あーミスった。もうちょい早く気づいてりゃこっちに誘えたのによ…
「んぇ~、場所決まってないならそっちも赤ちんとこ来ればいいじゃん。こっちも温泉だし~」
紫原…お前天才。
その手があるな