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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


「ネロ君と遊んでたんだよね。ごめんね」

「いいって。…この後時間あるか?」

「うん。もう今日は完全にフリー」

「広い場所で会ってみるか?」

「いいの?」


後部座席で時々キューって鼻を鳴らす白くてフワフワのネロ君。
ゲージ越しに見える、黒くて丸い目と大きい耳がすっごくかわいい。


「あぁ。リードして俺が先に歩くから、ちょっと離れて後ろから歩いてきて広いとこ出たら名前呼んで近づいてみてくんね」



ちょっと離れた公園まで行って、青峰君がネロ君をゲージから出してリードに繋いだ。


すっごい綺麗…本当に真っ白でふわっふわでさらっさら。
青峰君を見上げながらすっごく嬉しそうに尻尾振って歩いて、笑ってるように見える。
青峰君の顔も、すごくリラックスしてるのか目尻が下がってる


可愛すぎ…
これはメロメロになっちゃう。



少し距離を置いて歩いてから、芝の広いところに出て、青峰君があたしに振り返ったから小さめの声で呼んでみた。




『ネロ』




立ち止まってキョロキョロして呼ばれた方角を探してるから、もう一度少しだけ声を大きくして呼んだ。


『ネロ』


あたしに呼ばれてることが分かって青峰君を見上げて様子を伺ってる。


「こっち近づいて」


青峰君にそう言われて、ネロくんをびっくりさせないようにそっと近づくと、座ったまま小さく尻尾の先だけをパタパタさせてる。


「大丈夫かな?」


「全然大丈夫だ」


ネロ君との距離を詰めて前にしゃがむと、あたしの顔とか手とかの匂いをしばらく嗅いで少しだけ手をペロッと舐めてくれた。


「あたし触っていいかな?」

「あぁ。まず胸の辺りを撫でてから頭撫でてやって」



毛が一番ふわっふわなところにそっと触れた


ふわっふわだー‼
見た目以上にふわふわでさらさらですっごく軽い手触りがする。

「柔らかーい」

「ははは!ブラシがすげぇ好きでそればっかしてるから毛並みはいいからな」


そっと頭に触れると硬くて暖かい。

目を細めてるのは怖いからなのかと思ったら、気持ちいいからだって教えてくれた。



ゆっくり触って撫でてると少しづつ慣れてきてくれたから、ネロ君とボール投げっこを始めたけど、あたしの投げたボールは全然飛ばないからあんまり楽しそうにしてくれない…




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