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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


高速に乗って少ししたら、みさきの首がカックンカックンして、明らかに眠そうなのにちっとも寝ようとしねぇ

「みさき、眠かったら寝ろ。明日も仕事なんだから無理すんな」

「寝ない。仕事は午後からだもん。お家帰ったら寝る」

眠さのせいかいつもよりゆっくり甘えた声で喋るみさきは、意地張って寝ようとしねぇから運転席のボタンで助手席の背もたれを倒した。


「寝ないっ」

「寝なくていいから横になってろ。首疲れるだろ」


ジェイクみてぇだな…
風呂から上がった後、明らかに眠い癖に『寝ない』を連呼して、結局火神の肩に吸い付いて寝た。


みさきは脚の血行を悪くしねぇ為に座席に脚を載せてたから、シートにそのまま横になって俺の方を向いてて、盗み見た顔は今にも寝そうだった。


「あおみねくん…」

「ん?」

「ネロ君げんき?」

「あぁ。もうリビングで生活してる」

「そっか…」

……


最後の返事は蚊の鳴くようなちいせぇ声で、それ以降何も言わなくなったと思ったら代わりに規則正しい寝息が聞こえてきた

無理して起きてなくていいんだから最初から寝ろよ(笑)


高速を降りて、気持ちよさそうに寝るみさきを見ると起こすのが可哀想で、少しだけ遠回りをして赤信号で止まるたびにみさきを撫でた


もし、みさきがいなくなったら…





耐えられねぇ
想像しただけで苦しくて辛い



頼むから死ぬのだけは勘弁してくれ
俺のわがままを通せるなら、手術なんてやめてほしい
痛てぇのが嫌いなみさきに痛い思いをさせんのはすげぇ可哀想だけど、悪性じゃなくて、命に関わるもんじゃねぇなら手術なんて受けないでほしい。

危険と隣り合わせの手術なんてやめてほしい。


それに、緑間から返ってきたメッセージはあいつらしく嘘偽りのないものだったからこそ不安は拭えなかった

(危険なことは徹底して避けるが、オペは何が起きるか分からない。最善を尽くすために今から準備をしている)


めちゃくちゃ好きな女の事なのに、何もしてやれない自分に心底腹が立った



「えび…すき」


なんだそりゃ…
どんな夢だよ


俺のめちゃくちゃ不安な気持ちを知る由もないみさきはさっき食ったばっかのエビを夢の中でも食ってるのかと思ったら暗い気持ちも少し薄れた。


何があっても俺を元気づけてくれんのはいつだってみさきなんだな…
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